はじめての調香 · 89
冷蔵を指示された145件のうち13.8%はカルボン酸で、他の保存条件を持つ記録では1.5%しかない
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前回、保存条件欄には全庫で4つの書き方しかなく、最も強い一文「冷蔵」が145件に付いていることが分かった。今回はその145件が何なのかを見にいく。揮発性が最も高いものではなかった——冷蔵組の沸点の中央値は229°Cで、他の組の214°Cより高い。本当の違いは化学の分類にある。名前が acid で終わる記録は冷蔵組で13.8%、他の組では1.5%——9.4倍だ。含硫化合物は4.8%対1.3%。そしてもう半分の話として、この145件はそもそもあまり香水材料ではない。category 欄に fragrance を含むのは35.2%で、他の組は79.7%である。
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前回分かったのは、保存条件欄には全庫で4つの書き方しかなく、最も強い一文「冷蔵、密閉容器」が145件に付いているということだった。
今回はその145件が何なのかを見にいく。
まず最も直感的な説明を消しておく
冷蔵は揮発性が最も高いものに付くと思っていた。違った。
| 冷蔵組(145) | 他の保存条件あり(1,087) | |
|---|---|---|
| 沸点の中央値 | 229 °C | 214 °C |
| 分子量の中央値 | 192.3 | 178.2 |
**冷蔵組のほうが沸点が高く、分子も大きい。**冷蔵が揮発を抑えるためなら、向きが逆である。
本当の違いは化学の分類にある
両組の名前を粗く分類する(語尾で判定する粗い方法だが、両組に同じ物差しを当てている)。
| 分類 | 冷蔵組 | 他 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| カルボン酸 | 13.8% | 1.5% | 9.4× |
| 含硫 | 4.8% | 1.3% | 3.8× |
| ラクトン | 1.4% | 1.0% | 1.4× |
| エステル | 22.8% | 25.5% | 0.9× |
| アルデヒド | 5.5% | 7.3% | 0.8× |
カルボン酸が9.4倍。この1点はより厳密に計算し直した。名前が acid で終わるもので、冷蔵組20件(13.8%)、他の組16件(1.5%)。同じ結論だ。
冷蔵組でサプライヤーが多い酸:
| サプライヤー | 材料 | 香調型 |
|---|---|---|
| 82 | 2-メチル酪酸 | acidic |
| 67 | イソ吉草酸 | cheesy |
| 53 | プロピオン酸 | acidic |
| 50 | 2-メチル-2-ペンテン酸 | acidic |
| 21 | リノール酸 | — |
含硫の7件も見分けやすい——ビス(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド(43社、meaty)、メチオナール(52社、vegetable)の類だ。
**酸はエステル化し、風味が変わる。硫黄は酸化して別の硫黄になる。冷蔵は反応速度を抑えているのであって、揮発を抑えているのではない。**沸点が高いほうがむしろ冷蔵を要する理由がこれで説明できる——問題は飛ぶことではなく、別のものになることだ。
だがもう半分の話がある
これで全部だと思っていた。分類欄を見るまでは。
| 冷蔵組 | 他 | |
|---|---|---|
| category に「fragrance」を含む | 35.2% | 79.7% |
**冷蔵組の3分の2は香水材料ではない。**分類欄の上位は調味剤36件、香料と調味の兼用34件、天然物と抽出物19件で、純粋な香料は7件しかない。
香気関連の欄の記入率もそれに連れて落ちる。
| 欄 | 冷蔵組 | 他 |
|---|---|---|
| 香調型 | 41.4% | 80.8% |
| 強度 | 24.1% | 62.6% |
| 残香 | 16.6% | 59.2% |
**「冷蔵」の大部分は食品の側から持ち込まれている。**食品業界が酸類と硫黄化合物に対して行う通常の扱いが、調味料の記録と一緒にこのデータベースに入ったのだ。
だから調香する人にとっては
**分類に fragrance を含む51件が見るべきものだ。**そしてそれらも同じものに集中している——酸と硫黄である。
冷蔵組でサプライヤー40社以上、かつ実際に香水材料であるものはこうだ。酢酸ゲラニル(130)、α-イオノン(115)、γ-デカラクトン(111)、酪酸エチル(102)、アセトアルデヒド(94)、(E)-2-ヘキセナール(91)、イソ吉草酸(67)、β-イオノン(78)、(E)-β-ダマスコン(41)。
**イオノンとダマスコンが入っているが、あれは酸でも硫黄でもない。**あれは別の線だ——共役ケトンで、光酸化する。データベースは理由を書いておらず、私も無理に埋めるつもりはない。
実務としては3行
- **手元にカルボン酸があれば冷やす。**酪酸、イソ吉草酸、プロピオン酸、2-メチル酪酸——この種の劣化は化学変化で、室温では止まらない。
- **含硫も冷やす。**そして小分けは瓶を満たす。
- **沸点が高いから室温で平気、と考えない。**冷蔵組の沸点の中央値は他の組より15度高い。
この記事が立証していないこと
- 化学の分類は語尾判定で、粗い。「その他」が冷蔵組の51.7%を占め、その山は分類していない。カルボン酸と含硫の2点は厳密な語尾で再計算したが、他はしていない。
- 9.4倍は記述的な比率差で、統計検定はしていない。「冷蔵組は調味料に偏る」という共変要因も統制していない——酸類はもともと調味料に多いので、2つの発見は一部同じ事柄である。
- **誰が何を根拠に冷蔵と判断したのかは分からない。**欄は出典を示していない。
- **イオノンとダマスコンがなぜ冷蔵組にいるのかは説明していない。**光酸化は私の推測で、データベースは述べていない。
- **保存実験はしていない。**全体が欄の統計である。
- 保存条件欄は1,232件(2.9%)しかないので、この2組の比較はその千余件についての話であり、全庫の話ではない。