はじめての調香 · 95
公式の配合提案から最適な入門セットを計算しようとしたら、出てきた16本がすべて同じ香調型だった
· 8 分
データベースには673,662件の配合提案がある。香りの側だけを取り、双方のサプライヤーが10社以上のものに絞ると、2,271の材料のあいだに51,138本の無向の連結が残る。建設的な問いを立てた。どれを買えば、互いのあいだで最も多くの公式推奨の組み合わせが作れるのか。貪欲法で見つかった最初の完全グラフは9本で、うち5本が balsamic だった。そしてランダム貪欲を4000回まわして見つかった最大の集団は16本——すべて caramellic である。マルトール、エチルマルトール、ストロベリーフラノン、シクロテン⋯⋯16本が互いに推薦し合い、そしてそれらは同じ一つのことの16通りの書き方だ。全体で見れば同型の連結は17.7%(ランダム期待値5.8%、3.1倍)で、この欄は反響室ではない——だが最も密な場所はそうである。
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ここ数回は欄を剥がし続けてきた。今回は建設的なことをしたい。公式の配合提案を使って、互いによく合う入門セットを計算する。
まずネットワークを組む
データベースには 673,662件の配合提案があり、香りと風味の2つに分かれる。香りの側(336,574件)から、双方のサプライヤーが10社以上で、名称が原料記録に対応するものだけを残し、方向と重複を落とすと:
2,271の材料、51,138本の無向の連結。
連結度の高いもの:ケイ皮酸エチル(671)、シンナミルアルコール(593)、アミリス木油(584)、シャム安息香レジノイド(558)、サリチル酸ベンジル(529)、ドデカナール C-12(508)。
**これが「ハブ一覧」だ。**私は最初、答えはこれだと思っていた——連結度の高いものを買えばいい、と。
違った。
ハブ一覧は良いセットではない
ハブどうしは重なるからだ。それぞれ600本つながる2本の材料が同じ相手につながっているなら、2本揃えてもセット内部の組み合わせは増えない。
本当に問うべきはこうだ。N本買ったとき、その N本の「互いのあいだ」に公式推奨の組は何組あるか。
貪欲法を走らせた——毎回、セット内部の連結を最も増やす1本を加える。
| 本数 | 内部の組み合わせ数 |
|---|---|
| 4 | 6 |
| 8 | 28 |
| 12 | 63 |
| 16 | 108 |
**そして連結度上位16本をそのまま買うと、内部は84本しかない。**貪欲法が24本多く、1.3倍である。
「有名なものを買う」は最適解ではない。
だが最初の9本が何かを漏らしている
成長曲線を見てほしい。0、1、3、6、10、15、21、28、36。
これは三角数そのものだ。つまり加えるたびに、その1本がすでにセットにある全部とつながっている——最初の9本は完全グラフを成し、36組すべてが互いに推薦し合う。検証したが、1組も欠けていない。
その9本:
| サプライヤー | 材料 | 香調型 |
|---|---|---|
| 70 | ケイ皮酸エチル | balsamic |
| 79 | シンナミルアルコール | balsamic |
| 51 | アミリス木油 | balsamic |
| 69 | シャム安息香レジノイド | balsamic |
| 53 | ドデカナール(C-12) | aldehydic |
| 19 | ファーバルサム・アブソリュート | balsamic |
| 54 | ラズベリーケトンメチルエーテル | berry |
| 38 | フローラルピラノール | floral |
| 78 | スイートフェンネル種子油 | anise |
9本のうち5本が balsamic である。
そして最大の集団はもっと極端だ
ランダム貪欲を4000回まわして、より大きな完全グラフを探した。見つかった最大のものは 16本:
マルトール(107社)、ストロベリーフラノン(101)、エチルマルトール(75)、シクロテン(72)、メープルフラノン(67)、ショウユフラノン(46)、ストロベリーフラノン酢酸エステル(41)、エチルシクロペンテノロン(40)、カラメルフラノン溶液(37)、イモーテル・アブソリュート(34)、フェヌグリーク・アブソリュート(34)、シクロテン水和物(27)、カラメルペンタジオン(26)、トフィーフラノン(25)、エチルフラネオール(23)、マルチルプロピオネート(15)。
16本、すべて caramellic。
**これは処方のセットではなく、一つの香調型が自分を推薦しているだけだ。**16本が互いに推薦し合い、そしてそれらは概ね同じ一つのことの16通りの書き方である——全部揃えても得られる匂いは一種類だ。
(天然物2本——イモーテルとフェヌグリークのアブソリュート——さえ caramellic に分類され、同じ集団に落ちている。)
では欄全体が反響室なのか
**違う。**各連結の両端の香調型を突き合わせた。
| 双方に香調型がある連結 | 46,830 |
| 同型の連結 | 8,302 = 17.7% |
| 香調型をランダムに入れ替えた期待値 | 5.8% |
| 富化 | 3.1倍 |
同型への偏りは実在する(3.1倍)が、8割2分の連結は依然として香調型をまたいでいる。
そして自己推薦の傾向は型によって大きく違う。
| 同型の割合 | 香調型 | 連結数 |
|---|---|---|
| 39.8% | citrus | 8,032 |
| 30.7% | sulfurous | 1,936 |
| 27.2% | floral | 20,003 |
| 24.1% | fruity | 7,806 |
| 22.4% | caramellic | 2,707 |
| 15.0% | balsamic | 9,469 |
| 13.6% | nutty | 854 |
| 0.0% | powdery | 206 |
**シトラスが最もシトラスを推す(39.8%)。**そして powdery の206本の連結には、別の powdery につながるものが1本も無い——パウダリーは仕上げの質感であって、積み上げられる家族ではない。
ではこの欄をどう使うか
- **「連結が最も多い」で材料を選ばない。**ハブは互いに重なり、最も密な場所は同質的だ。
- **完全連結の集団をセットにしない。**その構造自体が単一の香調型に偏る。
- **本当に有用なのは香調型をまたぐ82.3%のほうだ。**シトラスに balsamic が推薦されているとき、その連結はシトラス同士の連結より多くを伝えている。
- **セットを選ぶなら香調型の多様性を先に固定し、その中で連結を見る。**私の貪欲法にはその制約が無かったので caramellic の穴に落ちた——それは手法の問題であって、データの問題ではない。
**入門セットを計算するつもりで、計算されたのはこの欄の形だった。**その形自体は有用だが、欲しかったものとは違う。
この記事が立証していないこと
- **
kind='odor'の側しか使っていない。**風味の側は走らせていない。 - 名称が原料記録に対応することを条件にしたが、その対応しない割合が高いことは以前に測った——51,138本は下限であり、漏れには系統的な偏りがありうる。
- **サプライヤー10社以上は私が設けた閾値だ。**緩めればネットワークは大きくなり、結論は変わりうる。
- **貪欲法は最適解を保証しない。**ランダム貪欲が見つけた16本の集団が全庫で最大である保証も無い。
- 「同型17.7%」のランダム基準は香調型のラベルを入れ替えたものであり、連結度の分布が香調型と無関係だと仮定している。その仮定は必ずしも成り立たない。
- **どの組も嗅いでいない。**この記事全体はネットワーク構造であって感覚的な検証ではない——16本の caramellic が互いに推薦し合うのは、調味料の文脈では完全に妥当かもしれない(実際よく一緒に使われる)。私が批判しているのは、それを香水の入門セットとして使うことだ。
- 公式の配合提案は種類ごとに最大60件という上限があり、それは別に書いた。連結度の高い材料の真の連結数はこの上限で圧縮されている。