調達 · 12
天然香料はいつまでも買えるとは限らない:サンダルウッド、乳香、トンカ
· 4 分
サンダルウッド油の減産、乳香の生息適地後退、採集経済に始まるトンカ。供給は価格表より前に決まります。
今年収穫できたからといって、天然香料の供給が安定したとは言えません。成長年数、採取による損傷、気候の移動、地域の採集者の生活が、カタログ価格より先に次のロットを決めます。
サンダルウッド:需要が残り、油量が縮んだ
2024年の総説はインド産サンダルウッドの年間消費を約4,000トンとし、2004年の油生産を約70トンと記録しています。それ以前の60年間は180〜200トンでした。一季の価格変動ではなく供給構造の変化です。
カタログにはオーストラリア産、santalol単離品、リプレイサー、微生物生産が並びます。産地物語、全油の複雑さ、安定した香気核のどれが必要かを先に決めます。
乳香:生息適地の後退がモデルに現れる
2025年のインド東部Boswellia serrata研究は、調査域の適地を約16,348平方キロメートルとし、2060年までに全体で約9%減少、一部で局地的消失の可能性を予測しました。
一地域・一種のモデルで乳香市場全体は語れません。だからこそ植物学名が必要です。乳香には複数のBoswellia種があります。乳香原料図鑑は香気分子を扱い、調達記録には種と産地を残します。
トンカ:供給網は採集者から始まる
SousaらはDipteryx odorataとD. punctataを、クマリン取得のため採集者が取引するアマゾン原産種と記述しました。費用は流通業者の倉庫ではなく、結実、採集、乾燥、地域取引から始まります。
研究は殻と内果皮の利用も評価しました。資源効率の問いにはなりますが、一論文で供給網の持続可能性が証明されたわけではありません。追跡性、採集法、種の確認が必要です。
代替品は悪い言葉ではない
代替は別種植物、再構成ベース、単離香気分子、バイオ製造かもしれません。全天然物は複雑さと変動、再構成品は安定性、単体は匂いの一部を残します。発酵は同じ主分子を作れても、不純物と表示資格は別確認です。
植物学名、産地、部位、ロット、代替案を記録します。sandalwood、frankincense、tonkaという俗名だけでは、欠品時に判断を再現できません。
参考文献
X. Yan et al., Biological properties of sandalwood oil and microbial synthesis of its major sesquiterpenoids, Biomolecules, 14(8), 971 (2024). PMID 39199359
R. Kumar & S. Tiwari, Geospatial analysis of impact of climate change on potential habitat of Boswellia serrata in Eastern India, Environmental Monitoring and Assessment, 197(7), 720 (2025). PMID 40457122
B. C. M. Sousa et al., Identification of Coumarins and Antimicrobial Potential of Ethanolic Extracts of Dipteryx odorata and Dipteryx punctata, Molecules, 27(18), 5837 (2022). PMID 36144574