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香料名が人を迷わせる理由:商品名、植物名、俗名、CAS の四つの罠
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Hedione が検索で出ない、シダーウッドが Cedrus ではない、aldehyde C-14 がアルデヒドではない。原料名を安全に読む方法です。
香料名は整然とした化学分類ではありません。植物学、初期の香水産業、登録商品、供給者カタログ、系統名が積み重なっています。一つの分子に三つの通称があり、異なる材料が一つの曖昧な名前を共有することもあります。
そのため、知っている原料なのに検索で見つからない、同じものを買ったつもりなのに匂いが違う、という問題が起きます。
商品名は化学名ではない
Hedione は Firmenich の商品名で、methyl dihydrojasmonate を指す名称として広く使われています。化学名で整理されたカタログでは、Hedione だけを検索しても出ない場合があります。グレードや異性体比率が異なる商品なら、馴染みのある商品名の下にさらに規格差があります。
Iso E Super も同様です。市場では IFF の商品名、論文では OTNE、カタログでは octahydro-tetramethyl-naphthalenyl-ethanone などの系統名が使われます。別物に見える入口が、同じ主要化学物質を指しています。
商品名は覚えやすい一方、企業と製品に属する名前です。供給者を横断して探すときは、一般化学名と CAS を先に確認し、各商品の規格を比較します。
植物名は、その植物から採った保証ではない
ヘリオトロピンは、ヘリオトロープの花の匂いに似ていることから名付けられました。研究者が実際の花香を分析すると、名前が示す主役としてこの分子は見つかりませんでした。別名 piperonal には、植物由来を思わせる要素もありません。
シダーウッドはさらに複雑です。香料市場では Juniperus virginiana や Juniperus ashei の材から得た油も、真の Cedrus 属の油も cedarwood と呼ばれます。一つの市場名が、異なる属、成分、匂いを覆っています。
植物名は、原料植物を示す場合、香調方向を示す場合、歴史的市場分類にすぎない場合があります。天然原料では学名、部位、産地、抽出法をまとめて確認します。
数字付き俗名でも構造を誤る
“aldehyde C-14” は gamma-undecalactone で、アルデヒドではなくラクトンです。C-18 にも似た歴史的命名があります。化学分類が違っていても、業界で便利な名前はカタログから消えません。
一方、aldehyde C-10、C-11、C-12 は、多くの場合、炭素鎖に関係する脂肪族アルデヒドです。規則があるように見え、C-14 で突然変わります。俗名から構造を推測するのは危険です。
「バナナオイル」も別の曖昧さを作ります。酢酸イソアミルにはバナナと溶剤の匂いがあり、名前の由来になりました。しかし市販の banana oil や香蕉水は混合溶剤の場合があり、純粋な酢酸イソアミルとは限りません。
一つの名前が複数の商品を覆う
天然原料では特に多い問題です。ジャスミン・アブソリュートには Jasminum grandiflorum と J. sambac があります。フランキンセンスには複数の Boswellia 種があります。サンダルウッドは Santalum album、別の Santalum 種、合成サンダルウッド香料のいずれかかもしれません。
CAS は役立ちますが、複雑な天然抽出物の CAS は一つのカテゴリーを示すことがあり、産地や工程の違う商品が同じ組成だとは保証しません。規格書、クロマトグラム、保存サンプルの方が重要になる場合があります。
検索と発注の順序
まず商品名、一般名、系統名、植物学名を集めます。CAS で明らかに異なる単一分子を分けます。その後、規格書で異性体比率、純度、原料、工程を確認します。天然物なら種、部位、産地、ロットも加えます。
| 名前の層 | 分かること | 保証できないこと |
|---|---|---|
| 商品名 | 市場での特定商品 | 他社品との完全な同等性 |
| 一般名・俗名 | 業界での呼び方 | 化学分類の正確さ |
| CAS | 主要な化学的同一性 | 工程、天然由来、ロット組成 |
| 植物学名 | 種 | 部位、産地、品質 |
安全な購買記録には、請求書上の名前だけでなく、供給者、商品名、CAS、規格書の版、ロットを残します。名前は商品を見つける入口で、届いたものを特定するのは書類です。