はじめての調香 · 100
第100回:記入率が見かけ上100%の欄が4つあり、実際には12.3%、6.2%、1.7%、20.9%である
· 8 分
これははじめての調香シリーズの100本目で、残すべきは感想ではなく表だ。全庫42,225件の記録について30の欄の記入率を1つずつ数えた。最も満ちているのは CAS の73.5%、最も空いているのは GHS 危険有害性情報の0.9%。だが本当に注意すべきは100%に見える4つ——notes と3つの毒性欄である。どの記録にも文字が入っているが、その文字は`None found`と`Not determined`だ。プレースホルダを差し引くと、notes は20.9%、経口毒性12.3%、皮膚毒性6.2%、吸入毒性1.7%。100%満ちて88%空の欄である。この100本から1つだけ残すなら、これだ——まずその欄に本当に中身がある記録が何件あるかを問え。
読了目安 5 分。
これははじめての調香シリーズの100本目である。
残したいのは回顧ではなく、私自身が毎回引き直している表だ。
30の欄の記入率
| 欄 | 値あり | 記入率 | サプライヤー10社以上の3,156件では |
|---|---|---|---|
| name | 42,225 | 100.0% | 100.0% |
| notes | 42,225 | 100.0% | 100.0% |
| toxicity_oral/dermal/inhalation | 42,224 | 100.0% | 100.0% |
| occurrence | 42,218 | 100.0% | 100.0% |
| cas | 31,035 | 73.5% | 87.0% |
| assay | 27,221 | 64.5% | 66.3% |
| logp | 19,667 | 46.6% | 60.6% |
| cosmetic_uses | 15,459 | 36.6% | 63.4% |
| flash_point | 14,316 | 33.9% | 73.8% |
| bp | 13,009 | 30.8% | 61.7% |
| appearance | 10,270 | 24.3% | 78.8% |
| odor_descriptions | 8,298 | 19.7% | 73.8% |
| potential_uses | 7,807 | 18.5% | 82.9% |
| odor_type | 7,001 | 16.6% | 67.0% |
| flavor | 6,919 | 16.4% | 67.0% |
| odor | 6,913 | 16.4% | 65.7% |
| taste_descriptions | 5,879 | 13.9% | 60.3% |
| specific_gravity | 5,285 | 12.5% | 52.2% |
| refractive_index | 4,609 | 10.9% | 47.7% |
| regulatory | 4,509 | 10.7% | 55.2% |
| fema | 3,617 | 8.6% | 50.4% |
| mp | 3,080 | 7.3% | 28.0% |
| odor_strength | 2,451 | 5.8% | 43.5% |
| structure_class | 2,174 | 5.1% | 27.1% |
| odor_substantivity | 2,035 | 4.8% | 38.8% |
| shelf_life | 1,303 | 3.1% | 24.8% |
| storage | 1,232 | 2.9% | 24.0% |
| ghs_hazard_statements | 369 | 0.9% | 11.0% |
**3列目のほうが2列目より役に立つ。**同じ欄でも「誰かが売っている材料」では記入率がずっと高い——外観は24.3%から78.8%へ、用途は18.5%から82.9%へ跳ね上がる。
**だが逆のものもある。GHS の危険有害性情報は、サプライヤーのいる記録でさえ11.0%しかない。**この100本で見た中で最も空の欄であり、しかも安全を直接語る唯一の欄である。
そしてあの4つの100%は嘘だ
notes と3つの毒性欄には、どの記録にも文字がある。その文字はこうだ。
| 欄 | プレースホルダ | 件数 |
|---|---|---|
| notes | None found |
33,410 |
| toxicity_oral | Not determined |
37,039 |
| toxicity_dermal | Not determined |
39,595 |
| toxicity_inhalation | Not determined |
41,493 |
差し引くと:
| 欄 | 見かけ | 実際 |
|---|---|---|
| notes | 100.0% | 20.9% |
| toxicity_oral | 100.0% | 12.3% |
| toxicity_dermal | 100.0% | 6.2% |
| toxicity_inhalation | 100.0% | 1.7% |
吸入毒性:42,225件のうち、実際に数字があるのは731件。
100%満ちて、98.3%空の欄である。
「毒性データを持つ材料は何件あるか」を集計するコードで WHERE toxicity_oral != '' と書けば、答えは4万2千と返ってくる——正しい答えは5千である。
occurrence の欄はもっと微妙だ
これも100%であり、最も多い短い文字列はこうだ。
| 文字列 | 件数 |
|---|---|
not found in nature |
14,746 |
| can be natural | 2,932 |
| found in nature | 2,634 |
**「自然界に存在しない」はプレースホルダではなく、主張である。**そして主張は誤りうる——veramoss の記事で、あの記録が誤っていることを見つけた。
**空白は「誰も書かなかった」と告げ、誤った主張は「誰かが書き、そして間違えた」と告げる。**後者のほうが見つけにくい。
この100本で訂正したこと
**間違えうるブログだけが正しくありうる。**訂正したものをここに並べる。
- FEMA リストからの推論の誤り——「カストリウムの一群が FEMA にある」からアブソリュートもあると推論したが、アブソリュートの FEMA 欄は空だった。教訓:群から個別の記録の登録状態を推論しない。
- 一覧表の数字を正規表現が壊した——境界の無い数値置換が「DPG より97倍低い」を107倍に変えていた。教訓:文脈文字列で置換する。
- 保存条件の因果の言い方——カルボン酸が冷蔵を「指示されている」と書いたが、実際は「どの種類の記録が冷蔵と書く出所から来たか」にすぎない。
- 失敗した仮説——共役ケトンが光酸化ゆえに冷蔵されると推測したが、実測は1.6倍の富化しかなく信号ではなかった。そのまま記事に書いた。
- 残香時間の比較可能性——残香欄は「N時間 @ M%」と書かれているのに、私は100本のあいだ前半しか読まず、自分の一覧表の「400時間」の半分は希釈後の測定値だった。3言語とも修正した。
5番目が最も高くついた教訓だ。ある欄の単位は数字の隣ではなく、同じ枠の後半にあるかもしれない。
3行だけ残すなら
- まずその枠に本当に中身があるかを問う。
Not determinedも文字である。 - **単位を見たらその条件を探す。**濃度、温度、圧力、経路——それらはたいてい同じ枠に書かれている。
- 2件の記録が食い違うときは、まず同じものかを問い(FEMA 番号は識別子ではない)、次に同じ文書から来たのかを問う(欄は継承されたもの)。
**この100本は調香の仕方を教えていない。**していたのは別のことだ——あるデータベースを、それがいつ嘘をつくか分かるところまで読む。
この記事が立証していないこと
- 記入率は「欄が空でない」で数えており、プレースホルダを調べたのは5つの欄だけだ。残る25の欄には私がまだ見つけていないプレースホルダの模様があるかもしれない。
- 「サプライヤー10社以上」は私が設けた閾値で、数字を変えればあの列全体が変わる。
- **プレースホルダは「短い文字列の出現頻度」で見つけた。**もっと長い定型の記述は拾えない。
- 「誰も測っていない」と「測ったがこのデータベースが収めていない」を区別できない。
Not determinedは両方を覆う。 - 訂正した5件は私が覚えているものであり、すべてである保証は無い。
- この表は2026年9月時点のスナップショットである。