はじめての調香 · 85
前回失敗した欄を救い出す:特異性の条件を1つ足すと、使える香型パレットになる
· 7 分
前回、potential_uses 欄が万能度ランキングとして使えないことを示した——上位100本のうち7本はサプライヤー0社だった。だがあの欄はゴミではなく、私が向きを間違えていただけだ。逆向きに引く。シプレのタグは506件、フゼアは752件あり、いずれもサプライヤー10社以上が57%を占める。そして肝心の2つめの条件が特異性だ。リナロールは269の香型に標識されているのでシプレのタグに情報は無い。シスタス枝葉アブソリュートは7つしか標識されておらずその1つがシプレなら、そのタグには意味がある。この絞り込みを通した名簿は、ランキングではなく本物のパレットのように読める——シプレ側はシスタス・アブソリュート、イソブチルキノリン、ゼラニウム・アブソリュート。フゼア側はラバンジン・アブソリュート、ヒソップ油、バーチタール油だ。
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前回は potential_uses 欄を万能度ランキングとして検証し、そう使えないことを示した——香型数の上位100本のうち38本はサプライヤーが10社未満、7本は0社だった。
**だがあの結論が否定したのは1つの使い方だけだ。**今回はあの欄を救い出す。
逆向きに引く
あの欄の本当に信頼できる使い方は逆向きだ。「この材料はいくつの香型に入れるか」ではなく、**「この香型にはどの材料が使えるか」**を問う。
| 香型 | 標識された材料 | サプライヤー10社以上 |
|---|---|---|
| シプレ(chypre) | 506本 | 290本(57%) |
| フゼア(fern) | 752本 | 429本(57%) |
**どちらの香型も候補材料の半数以上が入手可能だ。**この時点でランキングより役に立つ。
**だがサプライヤー数でそのまま並べるのはまだ違う。**2つの名簿の上位はほとんど同じ顔ぶれになる。
| シプレ上位6 | フゼア上位6 |
|---|---|
| パチュリ油 148社 | ゲラニオール 198社 |
| リナロール 135社 | バニリン 193社 |
| ラズベリーケトン 112社 | パチュリ油 148社 |
| バジル油 110社 | リナロール 135社 |
| ヌートカトン 104社 | シトラール 135社 |
| ヘディオン 102社 | シトロネロール 119社 |
**パチュリ、リナロール、ラズベリーケトン、バジル油が両方に出てくる。**これは両香型に共通の鍵という話ではなく、どんな名簿にも出てくる材料だという可能性のほうが高い。
特異性を足す
前回、原因は分かっていた。材料の「香型数」は、実際にはいくつの香型ページがそれを載せているかだ。
その欠点はそのまま絞り込みの条件に使える。
- **リナロールは269の香型に標識されている。**シプレのタグにはほとんど情報が無い——何にでも標識されている。
- **シスタス枝葉アブソリュートは7つしか標識されておらず、その1つがシプレだ。**こちらのタグははるかに情報量が多い。
条件は2つになる。サプライヤーが十分(買える)+香型の標識総数が十分少ない(専属的)。
絞り込んだ名簿
シプレ(サプライヤー20社以上、香型標識総数が少ない順):
| 材料 | サプライヤー | 総香型数 | 香調タイプ |
|---|---|---|---|
| ローズ・アブソリュート(センチフォリア) | 34 | 3 | floral |
| ゼラニウム・アブソリュート | 22 | 6 | green |
| ジヒドロオイゲノール | 23 | 7 | spicy |
| プチグレン・マンダリン油 | 26 | 7 | floral |
| シスタス枝葉アブソリュート | 51 | 7 | woody |
| ホップ油 | 21 | 8 | herbal |
| 沈香油 | 26 | 8 | woody |
| パセリ葉油 | 26 | 9 | herbal |
| バレリアン根抽出物 | 30 | 9 | fruity |
| イソブチルキノリン | 22 | 10 | animal |
フゼア(同じ条件):
| 材料 | サプライヤー | 総香型数 | 香調タイプ |
|---|---|---|---|
| グリーンコニャック油 | 23 | 2 | green |
| ホワイトコニャック油 | 32 | 3 | herbal |
| コパイババルサム | 25 | 4 | woody |
| 3-エチルピリジン | 26 | 4 | tobacco |
| オポポナックス油 | 25 | 5 | balsamic |
| プチグレン・ビガラード油 | 26 | 6 | floral |
| スパイクナード油 | 26 | 6 | woody |
| ラバンジン・アブソリュート | 37 | 6 | herbal |
| ヒソップ油 | 52 | 6 | herbal |
| バーチタール油 | 30 | 7 | smoky |
この2つはランキングではなくパレットのように読める。
シスタス(ラブダナム)とイソブチルキノリンはシプレの骨格、ラバンジン、ヒソップ、バーチタールの組はフゼアの方向だ。そしてこれらはすべて、私が恣意的に選んだのではなく2つの条件が絞り出したものである。
なぜこの絞り込みが効くのか
「詳しく記載されている」と「この香型に属する」を分離するからだ。
多くの香型ページに出てくる材料は、編纂者がそれを丁寧に相互参照したことを意味する。少数のページにしか出てこず、その1つがシプレなら、それは本当にそこに属していることを反映している可能性が高い。
これは一般的な手筋だ:ある欄の雑音が「記載の充実度」から来ているとき、標識の総数を分母に使えばその雑音を割り落とせる。〈原料を30本買って詰まった〉で処方の共起を計算したときの lift も同じ考えの別バージョンだった。
実際にどうするか
- ある香型を作りたいなら、そのタグを引いてから2条件で絞る:買えるだけのサプライヤー数と、少ない香型標識総数。
- **標識総数の閾値は自分で調整する。**私は10以下にしたが、それは名簿を読める長さにするためだ。20以下にすればもう一群出てくる。
- **ランキングの側は使わない。**前回それが壊れていることを示した。
- **絞り出されるのは候補名簿であって処方ではない。**嗅いで、試して、用量を知る必要は残る。
- 両方の上位に出る材料はそれでも注目に値する——パチュリは両香型で上位3位に入り、別のデータで14類すべてにまたがると測ったので、それは本当にその材料の性質かもしれない。
この記事が立証していないこと
- **「香型標識が少ない=専属的」は代理指標であって定義ではない。**単に記載が少ないだけの材料もありうる。
- サプライヤー20社以上と標識10以下という2つの閾値は私が選んだもので、数字を変えれば名簿も変わる。
- **どの材料も実際にシプレやフゼアの商業処方で使われていることは検証していない。**これはデータベースのタグの分析であって処方史ではない。
- **この欄における「シプレ」と「フゼア」の定義は分からない。**それらは香型ページの名前であり、香型の境界はもともと議論のあるものだ。
- 前回の警告は依然として有効だ:この欄は編纂者の索引を反映しており、香型ページごとに充実度が違いうる。
- **FR と FL/FR の標識しか扱っていない。**風味の11,132件はまだ触れていない。